スクラップ取り扱い材質:ステンレスとは
ステンレスはオーステナイト系、マルテンサイト系/フェライト系に分けられ、さらにそこから含有率によって細かく分かれます。一般的にニッケルの含有率が高いもの方が、金属スクラップとしての価格が高くなります。また、ステンレスの種類は何らかの表記がなければ判断できません。完全ではありませんが、磁石を使って、付くものがニッケルを多く含むステンレスと言った判断をすることもできます。
ステンレススクラップの種類
ステン屑
ステンレスを加工した際に生じた切粉や端材を言います。ステンレスは鉄にクロムを13%以上配合した合金のことを言い、ニッケルを含んでいるかどうかによりオーステナイト系、マルテンサイト系/フェライト系に分けられます。
ステン粉
ステンレスを使った製作工場や生産工場で切削加工された際に発生する粉です。発生の際は油や水分を含んでいることが多く、輸送や保管には注意が必要です。また、極端に磁石に付いてしまう場合、ステンレス以外の金属が混ざっていることがあり、その場合買取不可とする業者もあります。
18クローム
SUS430系のスクラップです。鉄をベースにクロムを16~18%、マンガン1%以下、シリコン0.75%以下、炭素0.12%以下の合金です。ニッケルが含まれておらず、耐食性の面では劣りますが、比較的安価であるため身近な製品に使用されています。SUS304と比べると買取価格が低いため、鉄と同じ扱いにしている業者もあります。
PC屑(パーマロイ)
パーマロイを切削した際に発生する切粉や端材です。パーマロイは鉄やニッケルを主成分とした最高レベルの高透磁率材料です。ニッケルの含有率は35~80%となり、見た目は鉄やステンレスと変わりませんが、強く磁性を引き付ける特性を持ちます。
PB屑(ニッカロイ)
ニッケルの含有率45%,鉄の含有率55%の合金です。
PC粉
パーマロイを加工した際に発生した削粉です。パーマロイは磁気に対して強い反応を示す特殊な性質を持っています。様々な産業で使用されており、特に電子部品の小型化に大きく貢献した合金です。
316ステン屑
316ステンは、鉄をベースにクロムを16~18%、ニッケルを10~14%、モリブデンを2~3%含んだ合金で、SUS316とも呼ばれています。この316ステンを加工した際に生じた端材を316ステン屑と言います。316ステンは磁性が無く、SUS304よりも耐食性が高い特徴があります。
ニッケルは単体としての存在しますが、合金として使われることがほとんどです。ニッケルが含有されているものは、耐久性、耐食性に優れ、高温や低温での強度が高く、磁気電気特性も幅広く備わります。また、ニッケルの使用率は年々増加しているため、需要が高い金属と言えるでしょう。
インコネル
ニッケルとクロムを主体とし、コバルト、モリブデン、タングステン、銅、炭素、チタン、アルミニウム、ニオブ、マンガン、鉄、バナジウム、タンタル等を添加した合金です。組み合わせが多種多様で、様々な性質を持つのが特徴です。
その他Ni屑
ニッケルの合金は非常に多く、ニッケルの含有量、成分、付着物、形状等によって異なります。材質を証明する書類(ミルシート)があれば問題ありませんが、無いこともあります。その場合は、金属分析器で調べる必要があります。